新進気鋭の思想家であるところの東浩紀氏の、こんな tweet が話題を呼んでいる。
共産党は日本の癌だ。共産党の主張が悪いというのではない。絶対に為政者にはならないという安心感のもとに、為政者への不満だけを吸い上げる党という存在 がある、その事実が日本の政治をひどく損ねている。共産党の批判は決してぶれないから、そこに不満が流れ込む。でもそれはなにも変えないのだ。
https://twitter.com/hazuma/status/358984438501224448
そもそも東の言う為政者の定義がよくわからない。
まあ確かに共産党が議席を過半数とって日本の国家の政権をとるということは考えがたいが、地方自治体では知事や市長が共産党の支持を受けていたり、共産党が与党であることなどはさほど珍しくはない。そういう自治体でも、東は共産党は彼の言うところの「為政者」ではないと言うのだろうか?
参考)日本共産党が与党の自治体
東の言う「為政者」が、すなわち国政の担い手だとするのならば、繰り返しになるが、確かに共産党が国政の担い手になるのは考えがたいが、しかし、だからといって「何も変えない」などというのは、議席をどれだけ多く取るかというゲームと、政治を誤って認識しているからなのではないか?
福島第一原発の危険性を国会で繰り返し指摘した共産党の吉井英勝前衆議院議員の活動は、既に政治的な関心のある人々の人口に膾炙して久しい。残念ながら吉井の指摘は実を結ばず311を迎えてしまったが、それをもってして「何も変えない」などと評価することは不当であろう。
福一では追給は実を結ばなかったが、2000年代後半に共産党が激しく追及した偽装請負問題では、偽装請負の規制強化は実現され、クリスタルやグッドウィルなどの問題の多い企業を追い詰めることが出来たことは否定できない事実であろう。これでも「何も変えない」のであろうか?
クリスタルグループはマスコミへの恫喝訴訟の常習犯で、「この訴訟提起の乱発により、偽装請負の社会問題化が数年遅れたとも指摘されている」。スポンサー関係などの縛りを持たない共産党と赤旗がいなければ、偽装請負問題の一定の解決は今に至っても見なかったかもしれない。
共産党が、少数政党が「何も変えない」というのは、不当な言いがかりであるのだ。
(おまけ)
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